H29定期総会
日本ALS協会岡山県支部 定期総会報告
2017年7月8日13時より、独立行政法人国立病院機構南岡山医療センター王山荘において、日本ALS協会岡山県支部定期総会が開催されました。患者・家族・遺族の方々14名、専門職・医師・関係機関の方々12名、一般会員・ボランティアの方々5名、合計31名のご参加がありました。ありがとうございました。
日本ALS協会会長 岡部宏生様 メッセージ
こんにちは。日本ALS協会会長の岡部宏生と申します。本来であればこちらにお伺いして皆様にお目にかかりたいのですが、本日の支部総会開催にあたって一言お祝いを申し上げます。まず、この総会の開催にご尽力してくださった関係者の皆様、そしてご参加くださった皆様に心より感謝申し上げます。私たちを取り巻く環境は、幾多の先輩達のお陰で以前に比べれば、格段に向上しているとは言え、患者や家族は常に深い困難と直面しています。社会保障費の削減など、厳しい現実もある、一方で新しい治験が複数開始されることなど、新たな希望も生まれてきています。そういう情報は協会ホームページや、機関誌などを通じてタイムリーに配信して参ります。
ところで、私はこの3年間悩んでいることがあります。すでにご存知の方もいる事なのですが、私達は身体の動きを奪われるだけでなく、感情のコントロールも少し障害されます。良く知られているものとして、感情失禁があります。これは、きっかけはあるにしろ自分の意思よりはるかに大きな感情の発露となって、笑ってしまったり、泣いてしまう事です。私も発病数年はずいぶんこういうことがありました。現在はずっと少なくなりましたが、不意にそういう事に襲われる事もあります。この感情失禁とは別に、私達の症状には情動制止困難というものがあるといわれています。それは、次のような症状です。
例えば、介護をされている奥さんが、子供が発熱したので夜中に病院に連れて行って帰宅したら、患者の旦那さんの第一声が足の位置を直してというもので、奥さんは本当にこの旦那さんの言葉に傷ついたというようなことです。本来であれば、「お疲れ様、子供の具合はどう?」と言うところですが、そうではなくて足の位置にこだわった発言になってしまうのです。あるいは、そんなにたいしたことでもないのに非常に激しく怒りを現したりもすることがあります。(私はこれです)この症状のためにALSの患者は気難しいとか恐いとか言われてしまいます。これは人格ではなくて、病気の症状であることを、介護する方に理解をして欲しいと思います。
患者自身もこの症状と上手く付き合っていくことは、人間関係のためにとても必要なことであると思います。ご支援をして下さる皆様やご家族や患者さん自身もこんな症状を理解しておくことで、関係性を良いものに保っていただければと願う次第です。ALSという病気は本当に過酷で、それは患者本人は言うまでもありませんが、ご家族にとっても大変なことであり、まさにどちらも当事者と言えましょう。患者や家族は孤立してしまう場合もあります。そこで、患者同士あるいは家族や関係者同士で情報や気持ちを共有することはとても大事なことと思います。どうかこの総会で情報を得ること、また患者さん同士で交流を深めていただければとお願いして、私のご挨拶とさせていただきます。